カウンセリングでは上手に話せなくても大丈夫
以前に比べるとカウンセリングの認知度が高まったことで、心の不調を感じた時に「カウンセリングを受けてみよう」と思ってくれる人が少しずつですが増えてきているのを感じます。
ただ、「カウンセリングを受けてみたいけれど、うまく話せるか不安・・・」と、申し込みを躊躇ってしまう人がいるようです。
たしかに、人付き合いが苦手だったり、コミュニケーションに自信がない人などの場合、カウンセラーと1対1で向き合って話をすることに抵抗を感じてしまうのも無理はないでしょう。
また、話の内容が、子供の頃など昔のことに深く関わることだったり、何十年も悩み続けていることだったりすると、何をどこからどこまで話せばいいのかわからないということもあるようです。
そうなると、ここで歩みが止まってしまい、せっかく「カウンセリングを受けてみよう」と思い立った気持ちが無駄になってしまいます。
カウンセリングでは、とにかく話してみよう！
では、せっかく思い立った「カウンセリングを受けてみよう」という気持ちを無駄にせず、今後の人生に活かしていくためにはどうすればいいのでしょうか？
それは、とにかく話してみることです。
そう、うまく話す必要なんかないのです。カウンセリングで何より必要なことは、「自分のことを話そう」という気持ちです。
逆に言えば、これさえあれば十分なのです。他に何の準備も心構えも必要ありません。
「自分のことを話そう」という気持ちさえあれば、話しにまとまりがなかったり、前後したり、重要事項が欠落していたり、時に、涙があふれ出して、言葉に詰まってしまったりしてもいいのです。
状況に応じ、カウンセラーがサポートしながら、じっくり丁寧に話を聞いていきます。
そうすることで、まとまりのなかった話にまとまりが出てきたり、時系列が整理されてきたりします。
そして、相談内容の全体像がくっきりと浮かび上がってきて、何に悩んでいたのか、どうすればいいのか、といったことが見えてきたり、気づいたりすることができるようになってきます。
不足している情報があれば、カウンセラーが随時、質問することで埋めていき、事実関係を確認していくことができます。
また、カウンセリングルームで涙を流すことは決して恥ずかしいことではありません。普段は我慢している涙を流す人は、男性女性を問わず、少なくはありません。ですから、涙が込み上げてきたら、遠慮なく泣いてしまっていいのです。さらに、涙を流すことで、気持ちがスッキリすることもよくあります。
カウンセリングは、黙っていたら始まらない
ごく稀な例ですが、「カウンセリグは、カウンセラーがどうにかしてくれるもの」という誤解を抱いている人がいます。
カウンセリングルームに入り、席につくと、「後はお任せ」的な態度でこちらを見つめる相談者さんがいるのです。
そして、カウンセラーが話すことを促すと、「は？」といった表情を見せ、渋々話し始めるというわけです。
そして、開始からあまり時間が経たないうちに、「というわけです」とか「以上です」と言って、早々に話を切り上げてしまい、こちらの態度をうかがうのです。「これ以上、私に何を話せと？」と言わんばかりの目を向けてきたり、「これでどうにかしてよ？」と訴えるような目で見つめてくるのです。
このようなケースでは、カウンセリングはお役に立てないと言っていいでしょう。相談者本人が望んでいないカウンセリングは、効果を得られないばかりか、負担になるだけです。
自分が抱えている問題や悩みをどうにかしたいと思ってはいるものの、自分のことを話したいとは思っていない場合は、カウンセリングは適さないと考えていいでしょう。
カウンセリングはさまざまなケースに適用され、効果を発揮しうるものではありますが、残念ながら、万能ではないのです。
カウンセリングで問題を解決するのはあたな自身
言うまでもありませんが、カウンセリングは、黙って座っていればカウンセラーが問題や悩みを解決してくれるというものではありません。解決するのは、相談者であるあなた自身なのです。そのためのお手伝いをするのが私たちカウンセラーなのです。
ですから、カウンセリングを受ける際は、うまくまとまっていなくていいので、とにかく話すようにしてください。そこからカウンセリングは始まると言っても過言ではないのです。
日本うつ病サポート協会運営のカウンセリングサロンクローバーのカウンセリングでも当然のごとく、あなたの話しを聞くところから始まります。内容にまとまりがなくても、前後関係が不規則であってもいいのです。途中、泣いてしまっても構いません。
思いつくまま自由に、気取ることなく、話しやすいところから話していってください。