「事実」は変えられなくても、「生活」は変えられる
今ではQOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉は一般的に知られるようになったので、耳にしたことがある人は多いことでしょう。
このQOLとは、一人ひとりの人生の内容の質や社会的に見た生活の質のことを言い、これを充実させることは、人生を楽しむうえで非常に重要なことであると言えます。
誰でも自分の人生を楽しむ権利があります。
これは、たとえうつ病になった人であっても同じことです。
しかし、うつ病は、非常につらく苦しい病気ですし、治るまでには長い時間がかかります。
だからといって、うつ病になったという事実を変えることはできないのは言うまでもありません。
だからといって悲観する必要はありません。
なぜなら、すでに起きてしまった「事実」は変えられなくても、これから先の「生活」は、いくらでも変えていくことが可能だからです。
うつ病の影響で、さまざまな不安が浮上
心と身体をしっかりと休ませ、うつ病が少しずつ改善してきても、手放しに喜ぶことはなかなかできないものです。
なぜなら、再発の心配をするようになったり、仕事を休んでいて収入がないことや治療費にお金がかかることから、経済的な心配などが強まってきたりして、どうしても気持ちが休まらないものです。
しかも、これからの生活、仕事、人生をどうやっていけばいいのかなど、さまざまな不安が浮上し、悩みと焦りが強く出てきたりしてしまうものです。
だからといって、諸々の不安や悩み、焦りなどネガティブなことばかり考えていると、心はどんどん落ち込んでいき、暗くなっていってしまいます。
うつ病による不安を解消するには?
うつ病になると頭の中がさまざまな不安でいっぱいになり、他のことを考えられなくなり、ますます暗い気持ちになってしまいます。
このようなことを避けるには、いったいどうすればいいのでしょうか?
それは、「余暇」を充実させるということです。
「余暇」とは、つまり「仕事以外の時間」のことです。
どんな人であっても、自分の人生を楽しむ権利があるのです。
それには、「仕事以外の時間」である「余暇」を充実させ、思い切り楽しむことが大事です。
ここでちょっと考えてみてください。
あなたがこれからやりたいことはどんなことですか?
前からやってみたいと思っていたことはありませんか?
以前は大好きでよくやっていたのに、最近はやらなくなってしまったことはありませんか?
そんな、「やりたいこと」「大好きなこと」を考えただけでも、楽しい気分、前向きな気持ちになれるはずです。
だから、好きなことをいろいろ自由に想像してみてください。
ちょっとだけおしゃれをして出かけたり、大好きなスイーツ店に行ったり、心癒されるピアノのBGMが流れるカフェでゆったりとしたひと時を過ごしたり・・・。
「やりたい」と思っていることを、心の中にとどめておくのではなく、実際にやってみる。
このようにして「余暇」を充実させることで、気持ちがガラッと変わり、充実した生活が送れるようになります。
うつ病になっても「充実感」が大事
「余暇」を充実させることで「生活」が充実すると述べましたが、これは、「生活」そのものが充実するというよりも、正確には、「充実感を得られるようになる」と言ったほうがいいでしょう。
「うつ病になった」という「事実」は変えられなくても、「生活」を変えることで、不安が解消され、充実した生き方ができるということを覚えておいてください。