うつ病になったのは「無理をしたから」
うつ病の原因は何か?
なぜ、自分はうつ病になったのか?
それは、一言で言うならば、「無理をしたから」ということに尽きます。
うつ病になった人は、何事に対しても手を抜かずに取り組む真面目で責任感が強く、完璧主義者であるはずです。
そのため、多少、体調が悪いくらいでは、仕事を休んだりできなかったはずです。
つまり、自分を酷使してまで頑張り続けてきたのです。
頑張ることは大事ですが、頑張りすぎると無理が生じ、心も身体も悲鳴をあげてしまいます。
それでも頑張り続けてきた結果が、うつ病ということだったのです。
つまり、「無理をしたから」うつ病になったということなのです。
「無理をしたからうつ病になった」ことを認める
うつ病になったら、まず、「無理をしたからうつ病になった」ということを認めることが大事であり、そこから治療が始まると言っていいでしょう。
そして、社会復帰するためには、なによりも「無理をしない」ということを心がける必要があります。
うつ病というのは厄介な病気で、再発が珍しくありません。そもそも再発する病気だと考えておいたほうがいいでしょう。そのうえで治療に取り組むことが大事です。
うつ病は、症状が改善し、元気になったとしても、「約5割の人が再発する」と言われているほど再発率が高いのです。
しかし、言い換えれば、残りの「約5割の人は再発しない」ということでもあるということを忘れてはいけません。
では、「うつ病を再発した人」と、「再発しなかった人」の違いはいったいどこにあるのでしょうか?
それこそが、無理をしたか、しなかったか、ということなのです。
うつ病の再発を防ぐためには、「無理をしない」ということが、いかに重要であるかがおわかりいただけると思います。
無理をしてうつ病になったのなら、無理をしなければ治る。
こう、シンプルに考えればいいのです。
「無理をしない」とは、どういうこと?
再三「無理をしない」と言われても、具体的にどういうことなのか、いまひとつピンとこない人もいるかもしれません。
ただ、はっきりと断言できることがあります。
それは、「無理をしない」とは、決して「怠ける」ということではないということです。
「無理をしない」というのは、自分の能力や、その時々の状態を正確に把握したうえで、「できないことはできなくていいと認めること」なのです。
つまり、自分にできることだけをやれば、それでいいのだと思うということです。
自分の能力以上のことをやろうとしたり、状態がよくないのに無理にやろうとすることは、自分に過度の負荷を加えることであり、自分を痛めつけることと言えます。
そのような、自分にやさしくないことをせず、いたわるようにすることが大事だということなのです。
「今の自分にはできない」と感じたことには手を出さない。そして、できるようになったらやればいいのです。
「できない」と感じることをあえてやろうとすることは、たしかに前向きで挑戦的な姿勢であり、好ましいものかもしれません。
困難なことを必死になって乗り越えようとすることは素晴らしいことかもしれません。
しかし、こうしたことは自分にかなりの負荷をかけることになります。
何事にも挑戦するのは結構ですが、必ずしも誰にでも実現できるとは限らないこともあります。
ですから、たとえできなかったとしても、それでいいのです。
「できなくてもいい」と思うことが大事です。
うつ病から回復したり、予防したりするには、「無理をしない」ということと、「できなくてもいい」と考え、自分をいたわることを最優先に考えましょう。