遊ぶことも大事だけれど休むことも大事
日本うつ病サポート協会のカウンセリングサロンクローバーには、毎日、さまざまな方がさまざまな悩みを抱えてご相談に来られます。
ご相談内容は人によってまちまちですが、多くの方に共通して言えることがあります。
それは・・・、後述することにしましょう。
「私はおかしくなってしまったのでしょうか!?」
ご相談に来られる方は、一般の会社員やOL、公務員、自営業者、パート・アルバイト、大学生、主婦、さらには小・中学生・高校生などなど、実にさまざまです。
年齢層も10代から60代までと非常に幅広いのが現状です。
つまり、年齢、性別、職業などはバラバラだということです。
しかし、悩んでいることとして、次のようなことを挙げられる方がよくいます。
頭が回らなくなった、頭が真っ白になる、以前はできたことができなくなった、新しい仕事を覚えられなくなった、一度覚えたことができない、さっき聞いたことをすぐに忘れてしまう、書類や本を読んでも内容が頭に入ってこない・・・。
このような「症状」を訴えて来られる相談者の方が非常に多くいます。
そして、こんなことを言う人も少なくありません。
「私は頭がおかしくなってしまったんでしょうか?」
「自分に何が起きているのかわからずとても不安なんです」
「病院に行ったほうがいいでしょうか?」
みなさんがこのように聞かれたとしたら、どう思うでしょうか? そして、どのように答えるでしょうか?
「それは大変だ。すぐに病院に行ったほうがいい」
そう答えるでしょうか?
カウンセリングで参考意見を得る
たしかに、上記のような「症状」があらわれたら、頭がおかしくなってしまったのではないかと思ってしまったり、自分に何が起こっているのかわからなかったりして不安を感じてしまうのもよくわかります。
また、実際、何らかの心の病気である可能性も否定できないので、精神科や心療内科を受診するのもひとつの手であるのは事実です。
しかし、その前にカウンセリングを受けてみるのも方法のひとつとしてお勧めしたいのです。
このようなことを書くと、「カウンセリングで治るのか?」と思われるかもしれませんが、決してそうではないのです。
まずはカウンセリングを受けることで、精神科などの受診が必要かどうかの判断材料のひとつを得るということです。
カウンセラーは、心理学はもちろん、精神医学や解剖生理学、薬学などの知識がありますし、日々、さまざまな相談者の方と接するなかで、経験的に知っていることも少なくありません。
そうした視点から、相談に来られる方を見たり、話しを聞いたりすることで、受診が必要かどうかがある程度わかるケースもあります。
もちろん、専門家ではないので、診断はできませんが、おおよその見当がつく場合があるということです。
したがって、あくまでも「参考意見」として聞いていただき、そのうえで、最終的にはご自身の判断で決めていただければと思うのです。
もちろん、明らかに病的であると判断できる場合は、受診を勧めることもありますが、その場合も、「参考意見」として聞いていただきたいのです。
「疲れているだけ」かもしれない
冒頭で挙げたさまざまな「症状」があらわれたとしても、すぐに精神科や心療内科を受診したほうがいいということはあまりありません。
つまり、ほとんどの場合、「病気」とまでは言えないということです。
では、なぜ上記のような症状があらわれるのでしょうか?
その答えは、実は案外簡単なのです。
それは、「疲れているだけ」である可能性が非常に高いからです。
多くの人は、身体の疲れには意識を向けやすいせいか、「身体を休める」という発想はできるので、そのために「ゆっくり過ごす」などして身体の疲れをとることができます。
しかし、ここで言う「疲れ」は、「身体の疲れ」ではないことに気づいた方もいるのではないでしょうか?
そうです。この場合の「疲れ」というのは、「身体の疲れ」ではなく、「脳の疲れ」なのです。
脳も身体の一部ですから、使い続ければ疲れるのは当たり前なのです。
しかし、「身体を休ませる」のと同じように「脳を休ませる」という発想ができる人は決して多くはありません。むしろ、「ほとんどいない」と言ってもいいかもしれません。
この「脳を休ませる」ということができずに、「脳が疲れている」人が非常に多いのです。
つまり、カウンセリングを受けに来る人のほとんどは、普段からちゃんと休めていないということなのです。
そして、その結果として、冒頭で挙げた数々の「症状」があらわれるに至っているのです。
脳が疲れていれば、正常に働いてくれなくなります。これが、「頭が回らない」「頭が真っ白になる」という状態なのです。
そして、その結果として、「覚えられない」「すぐに忘れる」といった「症状」につながるのです。
ところで、ここまで「症状」という言葉を使ってきましたが、これはあくまでも便宜的なものだということをお断りしておいたほうがいいでしょう。
なぜなら、「症状」とは、『大辞林』(三省堂)によると、「病気や疾患の状態」をあらわす言葉だからです。
ということは、冒頭の「症状」は、厳密には「症状」ではないということです。
では、いったい何なのかというと、単に脳が疲れた結果(=疲れた状態にあるということ)にすぎないのです。
したがって、頭がおかしくなったのでもなければ、脳の病気になったのでもなく、ただ単に疲れが溜まっているだけなのです。
脳が疲れている原因は?
ところで、どうしてみなさん、これほどまでに脳が疲れているのでしょうか?
それは、常に休みなく脳を使っているからなのです。
私たち人間は、自分で意識していなくても、知らず知らずのうちに脳を使っているのです。
多くの人は、通常、仕事をして生活しています。その仕事をするうえでは、当然、頭(脳)を使っています。
では、休日はどうでしょうか?
遊びに行ったり、好きなことをやったり、あるいは、家事にいそしんだりして過ごしているのではないでしょうか?
遊んだり、好きなことをやって過ごせば、「楽しかった~!」「面白かった~!」という気持ちになれるでしょう。
多くの人はこれを「休んだ」と勘違いしてしまっているのです。
たしかに、気分転換にはなっているかもしれませんが、実際は、「休んだ」どころか、仕事以外のことをして「疲れている」のです。
こうして、身体も脳も休むことなく使っていれば、疲れが溜まり、正常に機能しなくなるのは当然のことなのです。
身体の疲れはわかりやすいので、「ゆっくり過ごす」などして疲れを取ることは可能です。
しかし、脳はどうでしょうか?
よく、「本を読んで静かに過ごした」とか「家でゆっくりテレビを見て過ごした」と言う人がいます。
こうすることで、脳も休めていると思い込んでいるのです。
しかし、本を読むということは、たしかに身体は使わないので、「身体を休める」ということはできているかもしれませんが、一方では脳をフル稼働させていることになるのです。
もちろん、テレビを見たりすることも同じことです。画面に映し出される映像や音声を認識して理解するために、やはり脳をフル稼働させているのです。
これでは、「脳を休める」ということができないのは言うまでもないでしょう。
かくして私たち現代人の多くは、「脳を休める」ということができないまま、長期にわたって生活し続け、その結果、脳が疲れ果てて、冒頭で挙げた数々の「症状」があらわれることになっているのです。
ならば、脳を休ませれば、数々の「症状」は自然に解消されることになるわけであり、病院に行く必要もないということになるのです。
ただし、「脳の疲れ」が限界まで蓄積され、「休む」だけでは回復が困難な状態に達している可能性も否定できません。
この見極めは、一般の人には難しい場合があります。
では、どうすればいいのでしょうか?
その答えは、すでに述べました。
私たちカウンセラーにご相談いただき、参考にしていただければいいのです。
精神科や心療内科に行く前に、自分が今どういう状態なのかを知るためにも、カウンセラーにありのままを話していただければと思うのです。
「休み方」をカウンセリングで考えていこう
頭が回らなかったり、真っ白になってしまう、覚えられない・忘れてしまうといった「症状」が「脳の疲れ」によるものであると考えられる場合は、とにかく「脳を休める」ことが最優先となります。
ただ、ひとくちに「脳を休ませる」と言っても、どうすればいいかわからないという人が少なくありません。
それまで意識して「脳を休ませる」ということをしてこなかったのですから当然のことでしょう。
では、どうすればいいか?
それは、「脳を使わない」、すなわち「考えない」ということです。
言い換えれば、「ボーッとする」ということです。
しかし、これがなかなか難しい。
とはいえ、不可能なことではありません。
やり方は、人それぞれですし、その人ごとに合ったやり方があるのです。
日本うつ病サポート協会のカウンセリングサロンクローバーでは、あなたに合った「脳を休める」方法を一緒に考え、見つけていきます。
そして、その方法を実践していただき、その効果がどうであったかを検証したり、進捗状況を確認しながら、もっとも適した方法を見つけます。
あなたに合った「脳を休ませる」方法を身につけ、日々、実践していくことで、しっかりと脳を休めることができるようになっていくのです。
そうすることで、頭が回らない・真っ白になる、覚えられない・忘れてしまうといった、冒頭で挙げた「症状」は自然に解消されていくことになるのです。