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季節性感情障害とは?

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うつ病に似た症状が現れる

季節性感情障害(Seasonal Affective Disorder:SAD)とは、特定の季節になると気分の落ち込みや意欲の低下など、うつ病に似た症状が現れる精神的な不調のことです。日本語では「季節性うつ病」とも呼ばれます。多くは秋から冬にかけて発症し、春になると自然に回復するという周期的な特徴を持っていますが、夏に発症する「夏季型SAD」も存在します。季節の変化に体や心が適応できず、自律神経やホルモンバランスが崩れることで発症すると考えられています。

季節特有のリズムがある

季節性感情障害は、通常のうつ病と似た症状を示しますが、季節特有のリズムを持っている点が異なります。主な症状は以下の通りです。

冬季型(最も多いタイプ)

  • 気分の落ち込み、抑うつ感

  • 活動意欲の低下、倦怠感

  • 睡眠時間の増加(過眠)

  • 食欲の増加(特に甘いものや炭水化物)

  • 体重の増加

  • 集中力の低下

  • 社交性の低下(人との関わりを避けたくなる)

冬の寒さや日照時間の短さが関係しており、毎年秋ごろから徐々に症状が現れ、春には自然と軽快します。

夏季型(比較的少数)

  • 食欲不振、体重減少

  • 不眠、寝つきの悪さ

  • イライラ、焦燥感

  • 不安感、落ち着かない気分

  • 社交的な活動の回避

高温や湿度の高さ、生活リズムの乱れなどが影響しているとされ、6月〜9月にかけて発症することが多いです。

日照時間や気温・湿度が原因

季節性感情障害の正確な原因は完全には解明されていませんが、主に以下の要因が関係していると考えられています。

1. 日照時間の減少(冬季型)

日光を浴びる機会が減ることで、体内の生体リズムが乱れます。これにより、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの分泌が減少し、気分が落ち込みやすくなります。また、睡眠を促すホルモンメラトニンの分泌リズムが乱れ、過眠や倦怠感につながると考えられています。

2. 気温や湿度の影響(夏季型)

暑さや寝苦しさによる睡眠不足、食欲低下、生活リズムの乱れがストレスとなり、自律神経のバランスを崩してうつ症状を引き起こします。

医療的介入が必要な場合もある

季節性感情障害は、数年以上にわたり、特定の季節になると症状が出て、他の季節には改善するというサイクルがある場合に診断されます。症状が軽度であれば生活習慣の改善のみで対処可能なこともありますが、重度の場合は医療的介入が必要です。

主な治療法:

  1. 光療法(ライトセラピー)
    特に冬季型に有効とされる治療法で、専用の高照度ライト(2,500〜10,000ルクス)を朝に一定時間浴びることで、セロトニン分泌を促進し、体内時計を整える効果があります。

  2. 薬物療法
    症状が重い場合には、抗うつ薬(主にSSRIなど)が処方されることがあります。医師と相談の上、慎重に服用する必要があります。

  3. 認知行動療法(CBT)
    悲観的な考え方のパターンを認識し、ポジティブな思考へと切り替える練習をすることで、気分の安定を図る心理療法です。

  4. 生活習慣の見直し
    日光を意識的に浴びる、規則正しい睡眠と食事、適度な運動、ストレス軽減など、日常のセルフケアが症状の予防と軽減に大きく寄与します。

予防と対策

  • 朝はできるだけ日光を浴びる(カーテンを開けて日差しを取り入れる)

  • 軽い運動を習慣づける(ウォーキングやヨガなど)

  • 食生活を整え、糖分のとりすぎに注意する

  • 必要に応じてサプリメント(ビタミンDなど)を活用する

  • 無理をせず、自分の心身の状態に気づく習慣を持つ

心と体の声に耳を傾けよう

季節性感情障害は、「気分の落ち込みは季節のせい」と見過ごされやすいですが、明確な精神的疾患の一種であり、適切な理解と対処が必要です。特に冬季型は見逃されやすく、慢性的なうつ症状として誤診されることもあります。しかし、日常生活の工夫や医療的サポートによって、十分に改善・予防が可能な病気でもあります。気候の変化に敏感な自分を責めるのではなく、体と心の声に耳を傾け、優しくケアしていくことが大切です。


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