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職場復帰のための「リワークプログラム」とは?

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うつ病などで休職した人を支援する制度

うつ病をはじめとする心の病が原因で休職する人が増加しています。

こうした人たちのために、休職後、職場復帰に向けて実施される「リワークプログラム」と呼ばれる支援制度があります。

今回は、この「リワークプログラム」について解説することにしましょう。

リワークプログラムの目的&内容は?

「リワークプログラム」とは、職場復職のためのウォーミングアップのようなもので、具体的には次のような目的と内容があります。

≪生活のリズムを整える≫

休職中は、まず休むことを最優先にするため、一日中寝ていたりすることがあります。

また、何も考えずに好きなように過ごすため、夜更かしをしたりすることもあります。

そのため、通常とは異なる生活していることが多く、生活のリズムが大きく乱れていることがあります。

さらに、休職中は外出したり、身体を動かしたりすることが少なくなるため、体力が低下していたり、行動する意欲が低くなっていることも少なくありません。

こうしたことから、リワークプログラムでは、生活のリズムを整えるために規則正しい生活に戻すところから始めていきます。

具体的には、決まった時間に起床・就寝したり、通勤の感覚を取り戻すために、施設に通ったりすることを行ないます。

このようにして、休職前の通常の生活リズムを取り戻すことで、無理なくスムーズに職場復帰へとつなげていくのです。

≪仕事に必要な能力を回復させる≫

職場復帰をすれば、当然、何らかの仕事をすることになります。

休職中、働きたくても働けなかった分、張り切ってしまいがちですが、いきなり以前と同じ仕事をするのは無理があります。

体力・気力ともに十分ではないこの段階で焦ってしまうと、すぐにダウンしてしまう可能性がありますし、うつ病が再発してしまう恐れもあるので要注意です。

早く以前のように働きたい気持ちはわかりますが、そこをグッとこらえて、慎重に進めていく必要があります。

そこで、仕事に必要な能力を再び習得するために、デスクワークであれば簡単なパソコン操作、身体を使う業務であれば軽作業から始めていきます。

あるいは、本来の業務に近い仕事に取り組むことで、徐々に心身を慣らしていきます。

≪うつ病の再発を防ぐ≫

うつ病はいったん回復したとしても、再発することが多い傾向があります。

休職して心身を休めてうつ病が回復しても、再発してしまっては意味がないので、極力、再発は防ぎたいものです。

うつ病の再発を防ぐためには、自分がなぜうつ病になり、休職せざるを得なくなったのか、また、自分の症状はどういうものなのかなど、自分の状態や環境、病気の知識といったものを知っておくことが大事です。

さらに、うつ病になった原因である各種のストレスとの向き合い方のほか、自分の心のケア方法を学ぶことで、うつ病の症状が再び出ないようにすることもリワークプログラムの目的とされています。

こうしたことから、心理カウンセラーによる個人面談はもちろん、認知心理学の授業、リラクゼーションまで幅広く取り組む場合もあります。

≪人との交流を増やす≫

休職して自宅療養をしていると、自ずと外出の機会が減り、家にこもりがちになります。

そうすると、当然、人と話す機会が減少します。たとえ家族と同居していたとしても、以前に比べると会話が少なくなるものです。

特に、うつ病になった原因が人間関係にある場合は、なおさら人と関わることを避けるようになります。

しかし、職場復帰するとなると、どうしても人と関わることが必要となってきます。

そこで、リワークプログラムでは、他の人と一緒に行うグループワークや、各種の趣味の講座などを行なうことで、少しずつ人との交流を増やし、人間関係に慣らしていきます。

リワークプログラムの実施場所&期間は?

職場復帰の支援であるリワークプログラムは、「医療機関」と「公共機関」の2つの場所で行なわれるのが一般的です。

そして、それぞれの期間や費用などは次のようになっています。

≪医療機関~精神科、診療内科など≫

精神科病院や心療内科クリニックなどの医療機関で行なわれるリワークプログラムは、決まった形があるわけではなく、それぞれの病院やクリニックによって期間やプログラム内容が異なります。

期間に関しては、3~6ヶ月間程度といったように、比較的、短めなのが一般的のようです。

というのは、医療機関が実施しているリワークプログラムは有料であるため、長期間、利用すると経済的に負担になってしまうことが理由として考えられます。

しかし、自立支援制度を利用すれば費用を抑えることが可能となるので、頭に入れておくといいでしょう。

≪公共機関~地域障害センター、精神保健福祉センターなど≫

地域障害センターや精神保健福祉センターなどの公共機関が行なうリワークプログラムでは、主治医と本人だけではなく、雇用事業主も参加し、職場復帰に向けての支援を行ないます。

これは、本人への支援だけではなく、雇用事業主にも職場復帰に協力してもらえる体制を整えるということです。

期間は12~16週間(3~4ヶ月間程度)が標準となっていて、費用は無料となっているので、経済的な負担が生じないのが大きなメリットと言えるでしょう。

リワークプログラムで再発リスクを減らせる

うつ病は再発率が高いため、短期間、休職して自宅療養をしたとしても、すぐに職場復帰できるものではありません。

しかし、職場復帰に向けてリワークプログラムを受けることで、再発リスクを減らすことが可能となるので、利用を検討してみるといいでしょう。

日本うつ病サポート協会運営のカウンセリングサロンクローバーでは、うつ病の段階に応じた療養中の過ごし方や、職場復帰に向けてのご相談にも応じていますので、お気軽にお問い合わせください。

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