なぜ人は「人間関係」で悩むのか?
カウンセリングを受けに来られる人に限らず、世の中には人間関係で悩む人が非常に多くいます。
たとえば、「みんなの輪の中に入って行けない」「自分から壁を作って仲良くなれない」「まわりからどう思われているのか気になる」「人の目が気になって仕方がない」といった悩みが代表的な例として挙げられるでしょう。
この他にも、「キツい上司がいる」「指示に従わない部下がいる」「同僚と仲良くなれない」「ご近所さんに怖い人がいる」「ママ友とうまくいかない」など、特定の人物に対する苦手意識から、上手に関われないといった悩みも多く見られますし、両親・兄弟・親戚、友人などとの不仲に悩む人も多くいます。
このように、私たちは、「人間関係」で悩むことが多く、むしろ、「人間関係」で悩まない人はいないと言っても過言ではないでしょう。
上に挙げたような「人間関係」の悩みを抱えていると、とてもつらいものですが、これは、私たちが人間である以上、避けることができないものと言っていいでしょう。
なぜなら、私たち人間は、「社会的動物」だからです。
この「社会的動物」という言葉の意味については、ギリシアの哲学者・アリストテレスが言うところの「社会的動物」にまで言及するとわかりにくくなってしまうので、ここではシンプルに、こう考えてください。
「社会的動物」とは、社会を構築し、その中で生活する動物である。
つまり、人間は、単独、もしくは家族など、ごく少数で生きる動物ではなく、多くの仲間が集まり、協力して「社会」を構築して、共に生きる動物であるということです。
集団の中で他者と関わることで抱く「恐怖心」
さて、冒頭で挙げた「人間関係」に関する悩みは、すべて「恐怖心」が根底に存在しています。
この「恐怖心」を抱くのは、例えば「自分は弱くてダメなヤツだ」といった思い込みや、「気にしすぎる」性格といった、個人的な要因だけによるものではありません。
むしろ、私たち人間が「社会的動物」である以上、誰もが持っていて当然のものなのです。
「社会的動物」である私たち人間は、仲間と共に生活する、つまり、「集団」で生活します。
その「集団」の中では、さまざまな人間関係を持ち、その中で、自分の「居場所」を求めます。
そして、自分の「居場所」が確立され、他者から必要とされたり、愛し愛される環境の中で生活することを望みまます。
こうした感情や欲求を抱くことは、「社会的動物」である私たち人間としては、至極、当然のことなのです。
しかし、実生活の中では、こうした当然の欲求が満たされないということが起こり得ます。
たとえば、集団の中に自分の居場所を見つけられなかったり、集団から除け者にされてしまうといったケースです。
そのような状況を経験すると、人は誰しも、「自分は必要ないのではないか?」とか「いないほうがいいんじゃないか?」といった思いを抱いてしまいがちです。
これは、自分の存在さえ危うくなる、否定的な思いと言えるでしょう。
このような自己否定的な思いこそが、先に述べた、多くの人が抱く恐怖心へとつながっていくのです。
自分の存在そのものが危うくなるような感覚を抱くことになるわけですから、人間関係がうまくいかないことに恐怖心を抱くのは、実に当たり前のことと言うことができるのです。
したがって、カウンセリングを受けに来られる人に限らず、世の中の多くの人が「人間関係」で悩むのは当然のことなのです。
そして、その「人間関係」の悩みをどうにかして解決し、相手との関係を改善したり、良好に保ちたいと思うのは、これもまた当然のことなのです。
「悩んで当たり前」のことには「向き合って当たり前」
ここまで、「当然」とか「当たり前」という言葉をたびたび使いましたが、だからといって、「しょうがいない」とか「どうでもいい」というわけではありません。
もちろん、「放っておいていい」というものでもありません。
むしろ、誰もが悩むことだからこそ、しっかり向き合い、適切に対処し、解決していくことが必要であり、そのための努力を惜しんではいけないのです。
つまり、「当たり前」のことには「当たり前」に対応しなければならないのです。
「悩んで当たり前」のことには「向き合って当たり前」なのです。
「どうすればいいかわからない」
人間関係に限らず、悩みを抱えたら、解決に向けて、何らかの対策を講じる必要があります。
ただ、そのために「どうすればいいかわからない」と悩むケースが少なくありません。
一人で考えていると、堂々巡りになってしまい、長時間、延々と考えても何も出てこないという経験をしたことがある人も多いことでしょう。
夜、眠れなくなってしまい、解決策を見い出せないまま朝を迎えるということも珍しいことではありません。
そのようなことを続けていると、悩みはさらに深まり、心を病んでしまうことになる恐れがあります。
そんな時には、身近な人に相談するのも有効な方法ですが、つらい気持ちを受け止めてもらうということはなかなかできないものです。
むしろ、身近な人に相談すると、否定的なことを言われたりして、かえって傷ついてしまうケースも多く見られます。
つまり、日常の中で生じる人間関係の悩みを、その人間関係の中で解決するのは実は非常に困難なことなのです。
人間関係の悩みはカウンセリングで解決する
人間関係の悩みを解決するためには、日常の人間関係から離れ、第三者の立場の相手に相談することが大事です。
そうすることで、自分を否定されることのない安全な環境の中で、つらい気持ちを受け止めてもらい、最終的に自ら解決策を見い出していくことができます。
それが、カウンセリングというものなのです。
人間関係に悩んだら、まずはカウンセリングを受けることを考えてみてください。
すでに、多くの人が人間関係の悩みで相談に来られ、自ら解決策を見い出し、新たな一歩を踏み出しています。
あなたもカウンセリングで、人間関係の悩みから解放されませんか?