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できる上司はこうやって部下の心を守る

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企業に義務付けられたストレスチェック

近年、職場におけるストレスが原因で不調を訴える人が多くなっています。

仕事に関連して強いストレスを受け、それが原因でうつ病をはじめとする精神疾患を発症し、休職を余儀なくされたと認められると労災に認定されることがありますが、その割合は、次のようになっています(『厚生労働省 精神障害の労災補償状況より』)。

・平成23年度 …… 30.3%

・平成24年度 …… 39.0%

・平成25年度 …… 36.5%

・平成26年度 …… 38.0%

このように、年度による波はあるものの、全体として増加傾向にあることがはっきりと見て取れると思います。

そして、こうした状況を受け、この翌年の平成27年12月に厚生労働省から企業へストレスチェックが義務付けられわけです。

このような状況の中、職場において、貴重な人材の心を守ることが、上司の重要な責務となってきます。

とはいえ、現場の上司も、今まで経験したことのないことに対応しなければならないので困惑してしまうことでしょう。

では、いったいどのようにすればよいのでしょうか?

部下をうつ病にしないために余裕の心で接する

まず、忘れてはいけないのは、新入社員はたとえ成人であったとしても、自分たちより間違いなく年下であり、人としてまだまだ未熟であるということです。

そのような人を相手に、自分と同じ考えを押しつけようとしてはいけません。

たとえば、「いつまでも学生気分ではダメだ」とか、「部下が上司に合わせるのが当たり前だ」、あるいは「うちの会社のやり方に従ってもらう」といった考えで接するのは、見直してみる必要があります。

このようなことを言うと、長年、会社を担ってきた方々からは反発を招くかもしれません。

それも当然のことでしょう。

仕事一筋で会社のために努力を続け、発展を支えてきたベテラン社員・中堅社員の方々からすれば、仕事や会社、上司・先輩を優先するのは当然のことでしょう。

そのような人たちに、いきなり「そういう考えは捨てて、新入社員を優先しろ」と言っても、受け入れるのは難しいでしょう。

しかし、ここはひとつ、大人になって、余裕の心を持って考えてみてほしいのです。

多少のことには目をつぶることで、部下が伸び伸びと働いてくれれば、会社の業績は上向きとなり、上司の評価もアップするはずではないですか。

うつ病予防のために性格別に対応する

人生いろいろ、部下もいろいろです。

ひとくちに「部下」と言っても、それぞれが一人の人間ですから、当然、個性があります。

年齢も違えば性別も違いますし、育った環境も違いますから、全員に同じ接し方をしては、適切に対応することができません。

たしかに、様々なタイプの部下を束ねる上司も大変ですが、「できる上司」というのは、実際、それぞれの部下の性格を把握し、うまく利用しているものなのです。

この場合の「性格」というのは、「考え方の傾向」と言い換えることができます。

一人一人の部下が持っている「考え方の傾向」を的確に把握し、巧みに利用してコミュニケーションをとることで、部下を心の病から守ることが可能となるのです。

そのためには、自分なりにそれぞれの部下をいくつかのタイプに分けてみるといいでしょう。

難しく考える必要はありません。たとえば、「褒めると伸びるタイプ」とか「協調性に優れているタイプ」、あるいは「自分ひとりで仕事を進めるのが苦手なタイプ」「人一倍情熱的なタイプ」「いつもクールに取り組むタイプ」など、いろいろなタイプに分けることができるはずです。

ということは、全員に同じ接し方では通用しないことが自ずと理解できるはずです。そうだとしたら、それぞれのタイプに合った接し方を心がけるといいでしょう。

また、チームで仕事をする際には、タイプを考慮して部下の組み合わせを考えるのも有効でしょう。

部下の変化を察知してうつ病を予防する

部下をうつ病などの心の病から守り、伸び伸びと働いてもらうためには、大人の心を持って接することや、それぞれの性格に対応した接し方が大事ですが、さらにもうひとつ重要なことがあります。

それは、日ごろから部下の様子を気にかけ、たとえ小さな変化でも見落とさないようにすることです。

もし、何か異変を察知したら、さらに注意深く見守り、その状態が続くようであれば、軽く声をかけるなどして、早めの対処へとつなげることが大事です。

仕事だけでも忙しく大変な上司に、さらに部下の様子確認などを求めるのは酷なことに思えるかもしれませんが、あまり難しく考えず、ちょっとした気遣いをすることで部下の心を守ることができ、ひいては会社の利益にも結びつくと考えてほしいものです。

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