ほとんどの人が「人見知り」
私たちのカウンセリングルームに訪れる人の多くは、相談内容を話される中で、「人間関係」「人付き合い」「コミュニケーション」といった言葉を使われることが非常に多くあります。
仮にご本人の口から発せられることがなかったとしても、私たちカウンセラーが敏感に察知して、上記の言葉を用いて質問をすると、ほぼ間違いなく、当てはまっています。
すなわち、「人間関係がうまくいかない」「人付き合いが苦手」「コミュニケーションがうまくとれない」といった悩みです。
また、相談内容そのものが「人間関係」に関するものでなかったとしても、相談者の性格が上記に該当するケースは非常に多くあります。
私たちカウンセラーから見た印象としては、相談に来られる人のほとんどが「人間関係」を苦手としている、いわゆる「人見知り」の性格であると言ってもいいでしょう。
これはあくまでも私たちカウンセラーの主観に過ぎませんが、これを裏づける調査結果をご紹介しましょう。
7割以上が「人間関係」が苦手
では早速、ほとんどの人が「人見知り」であることを示すデータを見ていきましょう。
20代から40代の男女592名を対象にした、「人間関係の悩みについて」のアンケート調査結果があります。
これを見ると、全体の22.0%の人が、自分のことを「とても人見知りする」タイプであると認識しており、さらに、51.9%の人が「どちらかと言うと人見知りする」タイプと認識しています。
両者を合わせると、73.9%の人が、自分のことを「人見知りする」タイプであると認識していることになります。
これは、そもそも、人間関係を築くことに苦手意識を持っているということをあらわしていると言えます。
逆に、自分のことを「どちらかと言うと人見知りしない」タイプと認識している人は20.6%、「全く人見知りしない」タイプと認識している人は、わずか5.5%ということでした。
つまり、私たちが想像している以上に多くの人が人間関係を築くことに苦手意識を持っており、良好な人間関係を築くことに悩んでいることが伺えるのです。
さらに、「職場の人間関係に悩んだことがあるか?」という問いに対しては、半数以上の63.5%もの人が「悩んだことがある」と回答しています。
一方、「プライベートな人間関係(恋人・配偶者は除く)で悩んだことがあるか?」との問いに対しては、実に72.1%の人が「ある」と答えているのです。
こうしたことから、多くの人が、公私両面での人間関係で悩んだ経験があるということがわかります。
公私両面ということは、すなわち「生活全般」、もっと言えば「人生」においては、人間関係に関する悩みは避けることができないものであると言っても過言ではないでしょう。
人付き合いが苦手なのは普通のこと
上記のアンケート結果から、ほとんどの人が人間関係に関する悩みを抱えていることがわかります。
そして同時に、私たちが生きていくうえでは、人間関係に関する悩みから逃れることは非常に困難であることがわかります。
ほとんどの人が悩み、そして、避けられないものであるということは、すなわち、「人付き合いが苦手なのは普通のこと」ということになります。
逆に言えば、この世には(少なくとも日本には)、「人付き合いが得意」と自信を持って言えるような人や、人間関係に関する悩みを抱かない人はまずいないということなのです。
にもかかわらず、カウンセリングで「人間関係がうまくいかない」とか「人付き合いが苦手」と訴える人の多くは、「こんなことで悩んでいるのは自分だけ」、さらにそれは「ヘンなこと」とまで思い込んでいるのです。
そして、「このままではいけない」「なんとかしなければ・・・」「自分を変えたい」と考えるようになるのです。
しかし、カウンセリングに訪れる人の多くが訴える、「人間関係がうまくいかない」「人付き合いが苦手」といった悩みは、ごく自然なことであり、特別なことでもなんでもないということなのです。
つまり、このようなことで悩んでいるのは自分だけではなく、誰もが抱くものであるということなのです。
すなわち、それがいわば「普通」のことであり、悩んで当たり前と言うことができるわけです。
「うまくいかないこともある」と割り切ることも大事
私たち人間が生きていくうえでは、どうしても他の人と関わる必要があり、それなくしては生きてはいけません。
そうすると、どうしても衝突やすれ違いなどが生じ、「人間関係」で悩むことになります。
しかし、すべての人が完璧に理解し合えるということは、到底、あり得ないことなので、「わかってもらえないこともある」「うまくいかないこともある」というのが現実です。
これは、人間関係に限ったことではありませんが、うまくいかなかったり、思うようにいかなかった時には、悲観的に考えて落ち込んでしまうのではなく、「こういうこともある」「いつもうまくいくとは限らない」「うまくいく時もあれば、そうでない時もある」・・・と、割り切ることも大事です。
カウンセリングで人間関係の悩みを解消する
どんなことでも毎回、順調に進むとは限らないので、「うまくいかないこともある」と割り切ることも大事であると述べました。
しかし、うまくいかないよりは、うまくいくに越したことはありません。どうせなら、うまくいくようにしたいものです。
では、どうすればいいか? ということになるわけですが、ここで多くの人は、最近、増えている「コミュニケーション能力向上セミナー」などを受講することを考えがちです。
たしかにこうした自己啓発系のセミナーは決して意義のないものではありませんが、誰が受けても効果を得られるとは限りません。
受講して効果を得られる(習った内容を実践できる)には、心が一定の状態(段階)に到達している必要があります。
まずは自分の心の状態を確認し、整えていき、一定の段階にまで持っていくことが大事なのです。
今の自分の心の状態が弱っていたり、不安定であったりしたら、そのような状態のままセミナーを受けたとしたらどうなるでしょうか?
答えは簡単です。
「頭ではわかっているんだけど、できない・・・」
ということになり、そして、
「やっぱり自分はダメだなぁ・・・」
と落ち込んでしまうことになるのです。
もともとコミュニケーションに自信がなかった人が、セミナーを受けたことによって、ますます「自分はダメだ」という思いを深め、一層、自信を喪失してしまうことになるのです。
自信をつけるための自己啓発セミナーを受けて、自信を失う・・・。
こんなバカげた話があるでしょうか?
しかし、これは決して笑い事でもなければ、珍しいことでもなく、実際によくある話なのです。
つまり、今の自分の状態(段階)を正しく理解していないと、間違った対処法に手を出してしまい、状態を悪化させてしまう恐れがあるということなのです。
ただ、自分の状態を正しく理解することができる人というのは、決して多くはありません。ましてや、自分で整えるということができる人はごくわずかにすぎません。
だからこそ、心の専門家である私たちカウンセラーがいるのです。
カウンセリングを受けに来て、胸の内に秘めているさまざまな思いをお話しいただくことで、私たちカウンセラーがあなたの心の状態を把握し、わかりやすくご説明いたします。
そして、その後のカウンセリングの進め方なども併せてお伝えしますので、安心してカウンセリングを継続し、心の状態を整えていくことができます。
そのうえで、「人間関係がうまくいかない」「人付き合いが苦手」「コミュニケーションがうまくとれない」といった悩みの解消に、カウンセラーと一緒に取り組んでいっていただきます。
焦って一足飛びに進めるのではなく、一人ひとりの状態(段階)に合わせ、その人のペースを大事にして、無理なく着実に進めていくので、安心して取り組んでいくことができます。
あなたも「人間関係」の悩みをカウンセリングで解消してみませんか?