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身体にあらわれるうつ病の症状とは?

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うつ病では体調不良があらわれることもある

うつ病というのは、いわゆる「心の病」ではありますが、実は身体的な不調(体調不良)から始まることが非常に多いということはあまり知られていないようです。

そのため、うつ病を発症しているにもかかわらず、そのことに気づくのが遅れて、症状が重くなってしまい、回復に時間がかかってしまうというケースも少なくないのです。

どんな病気であっても、早期発見・早期治療が鉄則と言えます。

うつ病も、できるだけ早めに気づいて治療に取り組めば、短期間での回復が見込めるので、初期症状にはどんなものがあるのかを知っておくことが大切です。

そこで今回は、うつ病の初期症状の中でも、うつ病との関連に気づきにくい、身体的な症状をご紹介するとしましょう。

内科では原因がわからない身体的不調

うつ病の症状としてよく知られているものとしては、気分の落ち込みや自責の念(自分を責める傾向)、不安感といった、精神的な症状があります。

こうした症状があらわれた場合であれば、精神的な不調であることがすぐにわかりますから、精神科や心療内科を受診するという判断ができるはずです。

しかし、前述のようにうつ病ではこうした精神的な症状よりも先に、身体的な不調があらわれることが多々あります。

そのような場合、多くの人はまず身近な内科医院などを受診するのが一般的です。

しかし、いくら身体的な検査を行ったとしても、これといって悪い箇所は見つからず、結局、原因が判然としないことがあります。

身体的に問題がないにもかかわらず、各種の体調不良があらわれているとなると、いわゆる「精神的なもの」が原因として疑われることとなります。

そうなると、精神科や心療内科を受診することを勧められることになります。

そしてそこで、医師の問診や心理士の心理検査・カウンセラーによるカウンセリングなどにより、初めて「うつ病」であることが明らかになるというケースが多いのです。

そこでひとつ、具体例をご紹介しましょう。以下は実際にうつ病になった人の体験談です。

◆  ◆  ◆  ◆

~あるとき急に震えがとまらない~

眠れない日が続いたある日、夜明け前にふと目が覚めたとき、すごく寒くてふるえがとまりません。

動悸も激しく、胸が苦しくなってうずくまっていたら、妻が気づいてくれました。

「寒くて」としか言えません。熱をはかったのですが熱はありません。

理由がわからず内科を受診したら、精神科に行くようアドバイスされました。

※「うつ病の人の気持ちがわかる本」(P16)より

◆  ◆  ◆  ◆

この例では、「不眠」「寒気」「震え」「動悸」「胸が苦しい」という身体的な症状を自覚しているので、当然のごとく、内科を受診しています。

この人は、「動悸」や「胸が苦しい」という症状を自覚していることから、素人なりに心臓疾患を疑ったかもしれません。

そしてこの後、おそらく「心臓外科」などを受診するよう勧められると思っていたかもしれません。

ところが、「精神科」の受診を勧められたことで、意外に感じたかもしれません。

「動悸がしたり、胸が苦しいのに、なぜ精神科?」

そう思うのも無理はないでしょう。

しかし、実際、このように、本人には身体的な症状があるにもかかわらず、身体には異常は確認できないことがあります。

そこで、「精神的なもの」と判断されて精神科や心療内科の受診を勧められ、そこで初めて「うつ病」と診断されるのは決して珍しいことではないのです。

つまり、身体的な不調は、うつ病のサインである可能性があるというふうにとらえればいいでしょう。

それならば、何らかの身体症状があらわれた時には、近所の内科医院などで構わないので、とにもかくにも早めに受診するようにしましょう。

そうすれば、うつ病に限らず、あらゆる病気の早期発見が可能となり、そこから早期の治療・回復へとつなげていくことができるのです。

だからこそ、うつ病の症状としてあらわれることがある身体的な症状を知っておくことが重要となるのです。

次からは、うつ病と関連のある身体的症状をご紹介していきましょう。

うつ病と関連する身体の症状とは?

以下に挙げるような症状が身体にあらわれた場合は、身体的な病気だけではなく、うつ病に代表される「心の病」である可能性を疑うようにしましょう。

≪眠れない~睡眠に関する症状≫

うつ病の人の多くは、「眠れない」といったように、睡眠に問題が生じるようになります。

ただ、ひとくちに「眠れない」と言ってもさまざまなタイプがあることを知っておきましょう。

たとえば、次のような訴えが多く見られます。

「寝つきが悪い」「夜中に目が覚める」「早朝に目が覚めてしまい、その後眠れない」「朝、起きた時に、寝足りない感じがする」

このように、睡眠が不足するケースだけではなく、逆に「寝すぎてしまう」というケースも多く見られるので頭に入れておきましょう。

≪食べられない~食欲に関する症状≫

睡眠に関する症状と同じように多く見られるのが、食欲に関する症状です。

多くの場合は、「食べられない」「食べる気が起きない」といった食欲不振傾向ですが、逆に「食べるのが止まらない・止められない」といった過食傾向が見られるケースもあります。

このほか、「食べてもおいしく感じられない(だから食べたくない)」というケースもあります。

≪頭が痛い~頭部周辺の症状≫

うつ病では、頭部周辺に不快な症状があらわれることがあり、初めは「脳に異常があるのでは?」という不安を抱き、脳神経外科などを受診するケースもあります。

しかし、MRIなどの検査を受けても異常は確認できず、精神科の受診を勧められるケースも少なくありません。

頭部周辺にあらわれる症状としては、「キーンという鋭い頭痛」「こめかみをギューギューされる感じ」「頭が重い感じがする」「耳鳴りがする」「めまいがする」といったものがあります。

こうした症状があらわれた場合は、もちろん脳の病気も考えられますが、うつ病の症状である可能性も視野に入れたほうがいいでしょう。

≪胃が痛い~消化器の症状≫

健康な人でも悩み事や心配事などがあると胃が痛くなったり、お腹の調子が悪くなったり、軽い吐き気が生じるというケースがよく見られます。

これと同じように、うつ病でも、「胃が痛くて食べられない」「軽い嘔吐感(吐き気)がある」といった、消化器系の症状があらわれることが多くあります。

こうした症状は誰にでもあらわれることがあるものなので、軽く考えてしまったり、見過ごしてしまいがちです。

しかし、うつ病の症状であったり、あるいは別の重い病気の症状である可能性もあるので、決して放置せず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

≪身体がだるい~身体全体の症状≫

うつ病の症状は、身体の特定の部位に限定されるものばかりではありません。

つまり、全身症状としてあらわれるケースも多くあるのです。

たとえば、「身体が異常にだるい」「身体や手足が思うように動かない」といった症状がよく見られます。

こうした症状になり、「朝、起きられない・起きるのがとてもつらい」といった症状を訴えるケースも少なくありません。

このほか、「常に身体のどこかが痛い」という症状を訴えるケースもあります。

≪その他の症状≫

うつ病では、上記のような症状だけではなく、実に多様な症状があらわれます。

たとえば、「寒気がする」「のぼせた感じがする」「手足がしびれる」「性欲がなくなる」「生理がこない・遅れる」といったものがあります。

このように、一見するとうつ病とはまったく無関係と思われる症状でも、実はうつ病と密接に関わっていることもあるのです。

いずれにせよ、軽く考えて放置したりせず、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

日本うつ病サポート協会運営のカウンセリングサロンクローバーでは、うつ病に関するあらゆるご相談に対応しています。

「もしかして、うつ病かも?」といった不安を感じたりした場合は、一人で悩まず、私たちに気軽に話していただければと思います。

そのうえで、医療機関を受診したほうがいいのかどうかなどのアドバイスができる場合もあります。

カウンセリングを受けるだけでも不安が解消され、心が軽くなる場合もあるので、いつでも遠慮なくお問い合わせください。

クローバーでは、当日のご予約にも対応していますので、お急ぎの場合は、お電話でご予約いただければと思います。

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